理事長のあいさつ

 日本のあちこちから桜の開花宣言が届き始め、別れと出会いの季節がやってきています。昨年の8月に理事長となり、早半年余りが経ちました。その間、広島での土砂災害やバヌアツでのハリケーン災害等、次々と災害が発生しています。大きな災害の多発は、安全・安心社会の模索はもはや地球規模の緊急の課題であることを意味しています。
 皆様ご存知のように、第3回国連防災世界会議が2015年3月14日から18日まで宮城県仙台市で開催されました。10年前の2005年に、第2回の同会議が神戸市で、また第1回の会議は横浜市で開催されてきています。今回第3回の会議では、前回神戸で採択された防災・減災・災害対応のための「兵庫行動枠組み(Hyogo Framework for Action: HFA)」の評価が行われると同時に、「ポスト兵庫行動枠組み」が決定されました。今後10年から15年間の災害への備えや対応等の指針がまとめられているところです。
 新たな仙台行動枠組には、「健康」の概念が取り入れられました。横浜会議では「健康」については触れられず、また第2回の神戸会議開催に向けた準備委員会でも、行動枠組みの中に「健康」という言葉は含まれていませんでした。神戸会議の準備委員会の中で、災害時やその後の時期において健康維持や増進の重要性を発言したことを懐かしく思い出しています。今回仙台での枠組みの中に健康が盛り込まれたことで、15年後にはどのような評価指標でその効果を評価しうるのか、さらにどのような評価システムが必要なのか等、新たな課題が突きつけられています。
 日本災害看護学会は、学会誌の巻頭言でも触れていますが、1998年に発足して以来、来年で17年を迎えます。平成27年3月28日現在、個人会員1373名、組織会員48組織、賛助会員は6組織、名誉会員1名の計1428となっています。毎年開催される学術集会の参加者も年ごとに増えています。定期的な学術集会の開催や学会誌の発行、世界災害看護学会の発足と運営(第4回学術集会は2016年にインドネシアで予定されています)を含む国際的な活動、災害発生時の先遣隊の派遣・初動調査・初期調査等のネットワーク活動、学会時の交流集会やセミナーを通した教育的な活動、東日本大震災の被災地における支援活動や災害発生時の募金活動、ホームページや1.17メッセージ等を含む広報活動、災害看護に関連した用語の定義の実施、そして組織会員数の増加やその活性化など等、多くの事業を行ってきています。災害看護の現況を日本全体から見ると、看護基礎教育において、災害看護教育の導入が奨励され実施されるようになり、また大学院教育においては、災害看護専門看護師教育や5年一貫の災害看護グローバルリーダー育成等が実施されています。世界を視野に入れると、災害看護の国際的なネットワークが作られ活動が活性化されてきています。
 今期の理事会では、1)従来の活動を大切にしながら継続しつつ、2)災害看護学の知の構築に向けて、①実践から得られた成果の集約、ならびに②研究の促進、3)災害に強い看護職作りとして、①看護基礎教育における災害看護教育の強化、②災害看護の専門家育成、4)災害時支援システムの強化、5)国際ネットワークの一層の活性化、6)会員増に向けた取り組み、7)災害看護からの施策提言、等を中心に行っていきます。会員の皆様のご支援を頂きながら、共に支え合い、学び合い、高め合いながら、災害看護の発展に努めていきたいと思っています。本学会に対する会員の皆様のご理解とご協力、また活発な参加をお願い致します。
 最後になりましたが、黒田裕子理事のご逝去に対して哀悼の意を捧げさせていただきますと同時に、理事として様々な活動を牽引してくださったこと、ならびに最後まで日本災害看護学会の会員であることを望んでくださったことに感謝申し上げます。

平成27年3月26日
理事長 山本あい子




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会員数:2016年6月末現在

名誉会員:4名
(うち2名は物故会員)
個人会員:1541名
組織会員:42組織
賛助会員:6組織

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