災害復旧活動におけるボランティアコーディネーターの
心身の経過別変化と対処方法

野口宣人1)、酒井明子2)

1) 兵庫県立大学大学院看護学研究科修士課程、2) 福井大学医学部看護学科

要 旨

本研究の目的は「福井豪雨」で復旧活動に尽力したボランティアコーディネーター(以下、コーディネーターとする)の活動中に生じる①個人が心身の許容量を超えたと感じた時期(以下、ピーク期とする)②経過別の心身の変化、変化を及ぼした要因③心身の変化への対処方法・社会的支援について記述し、効果的な介入時期と経過別に沿った看護支援のあり方を検討することである。コーディネーター4名を対象に半構成的面接を実施した結果、活動中、心身のピーク期を感じた時期は全員がボランティアセンター(以下、VCとする)開設から1週目、2週目のいずれかであった。身体面への変化は全身的身体違和感が最も多く、局所的には耳鼻咽喉科系、脳神経系の訴えや睡眠に関する訴えが多く認められた。睡眠の問題に関してはボランティアセンター活動中だけでなく、ボランティアセンター閉鎖後も症状が出現していた。精神面への変化とその要因では、活動中に生じる精神的負担感が睡眠に影響するなど身体と精神の問題が関連していた。対処方法、社会的支援では仲間に対して「相談、打ち明け」をすることで精神的負担感が現象するなど、「トーキングスルー」の有効性が認められた。帰宅後には「清潔行動」や「個人的生活習慣行動」をとることで非日常的環境から日常的環境へ気持ちの切り替えにつながっていた。

●連絡先:E-mail alstott40_tampa@yahoo.co.jp

Vol.7, No.3, May 2006




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