緊急地震速報を体験して考えること

琉球大学医学部保健学科 小笹美子

 

体調が悪く自宅で休んでいるときでした。NHKラジオから聞き慣れない音が聞こえてきました。それとほぼ同時に揺れが来ました。緊急地震速報でした。幸いにも大きな地震ではなく、震源地の近くでも大きな被害はありませんでしたが、体に感じる揺れでした。

緊急地震速報については、災害看護学会の展示コーナーでシステムや使われる音声についての知識は得ていましたが、実際に自分が聞くことになるとは思ってもいませんでした。1分前に地震が来ることがわかれば火を止めたり、戸を開けて逃げ道を確保できると頭の中でシュミレーションしていましたが、実際には、「エッ、何これ」と思ったと同時に揺れが来ました。緊急地震速報だったと気づいたのは、地震が終わってからでした。

後日、緊急地震速報について周りの人に聞いてみたところ、会議中で速報が聞ける状況ではなかった、テレビをつけていたが緊急地震速報の報道はなかったなどでした。平日の昼間だったこともあり、緊急地震速報を聞いたという人はほとんどいませんでした。それどころか、緊急地震速報について知らない人がほとんどでした。

一方、毎年沖縄県に襲来する台風は、農作物などに被害をもたらします。停滞型の大型台風の場合は暴風域に36時間入っていたり、一度通過した台風が戻って来たりし、被害が大きくなります。県民は、気象台からの台風情報によって台風への暴風雨対策をします。排水口の清掃、植木鉢の片付け、懐中電灯の準備、飲料水の確保、携帯電話の充電などは、沖縄県で普通に行われている台風対策です。病院では、予測される台風の規模に合わせて、窓や出入り口の補強防水対策、保安要員の確保、非常電源の点検などを行い、台風に備えます。台風による被害が想定できるため、それぞれが自分の責任で被害を減少させるための対策を行っています。

毎年襲来する台風に対する備えをする人も、100年以上起こっていない地震や津波に対する対策はほとんど行っていません。いつ起こるかわからない災害に備えることは非常に難しいことです。被災時には通常行っていることしか対応できないと言われています。毎年の台風に対する備えをしっかりと行い、隣近所で助け合う習慣を大切に育てていくことが何よりの防災になる、と考えさせられた緊急地震速報でした。

 




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