JSDNニュース No.26

第15回日本災害看護学会年次大会を終えて

大会長 中 村 惠 子(札幌市立大学)

日本災害看護学会は、初めて津軽海峡を渡り北海道札幌市へ上陸しました。第15回年次大会のテーマは先輩たちが培った災害に関する研究・報告・実践活動をもっと社会へ発信できないだろうかと考え、「災害看護―その多様性への挑戦―」とし、会長講演のテーマは「多様な災害支援活動に取り組んでいる看護職の力を社会へ発信!」とし講演を行いました。国内外の諸先輩に助けられ2日間の会期を終えることができました。会員の皆様、参加頂きました非会員の皆さまに感謝申し上げます。
プログラムは如何だったでしょうか、アンケートでは良いプログラムだったが、同時間開催のセッションが多く、聞くことができなかったとお叱りも頂戴しました。参加者の皆さまの熱意が感じられるご意見と受け止めています。各会場では時間一杯に発表やディスカッションがなされ、災害への関心の大きさを実感いたしました。
当日は1社ですが地元のテレビ撮影クルーがきて、札幌にて初の「日本災害看護学会」が開催され、全国から多くの看護師が集まっていることを当日の夕方のニュースで流れたようです。しかし、我々関係者は誰も確認することができませんでした。また、ベストナースと言う北海道内の看護専門雑誌社が特集を組んで下さり、会長講演、教育講演Ⅰ「災害看護に必要な緊急被ばく医療の実践的知識-新しい原子力災害対策指針もふまえて-(浅利靖教授)」、教育講演Ⅱ「原子力・放射線災害において看護職としての役割を果たすための備え-看護職に期待されていること、なすべきこと-(草間朋子教授)」をp5~15ページに亘って掲載してくれました。地方開催の良いところでしょうか。
1200余名の方々が参加してくださいました第15回日本災害看護学会を終え、残務整理をしているところですが、その間にも猛暑や豪雨そして今年は竜巻の被害は例年になく発生していました。さらに台風の日本への接近や上陸が多いと報道されていますので、被害が大きくならないことを願って、日本災害看護学会開催のお礼と致します。


第15回年次大会総会報告


平成25年8月22、23日の両日、札幌市立大学、中村 惠子氏を大会長に、日本災害看護学会第15回年次大会が札幌コンベンションセンターで、1200名以上の多くの参加をえて、開催されました。会員数も、個人会員は昨年(6月末)より377名増え1,446名、名誉会員1名、組織会員52組織、賛助会員7組織と大きな学会となりました。会員の皆様の本学会への期待に答えるべく、今後ますます充実した学会活動に取り組んでいきたいと考えております。
15回の総会では、当日50名のご出席を戴き、委任状574通と合わせて総会が成立しました。今年は、日本災害看護学会設立15周年であり、記念シンポジウムを開催することや、災害看護学の発展に寄与し、特に顕著な功績のあった方として、理事会として表彰規定に該当するものとして7名の日本災害看護学会功労者推薦者を決定し、評議員会で審議、承認されたことが報告されました。また、事業報告として各委員会活動の報告を行い、ホームページの大幅なリニューアルを行い会員専用に掲示板を設けたことや、先遣隊登録基準の変更を行い、新たに2名の先遣隊員が加わったこと、長期的な継続調査を実施したこと、東日本大震災に関する募金をもとに立ち上げた東日本プロジェクトでは、学際的な位置づけで健康と復興まちづくりを考えるシンポジウムの開催や、被災地域の医療職を対象とする看護セミナーの開催を開催し、被災地域の健康情報集積と健康問題明確化への支援を行ったことなどの報告を行いました。
平成25年度の新たな取り組みとしては、英語論文の査読方法に関する検討、学会誌の電子化に関する情報収集及び検討を行うこと、組織会員の増加を目指して組織会員のあり方を検討していくこと、災害に関する専門用語の統一を図り用語の整理に取り組むことを目的とした災害看護用語検討プロジェクト活動強化のために、河原 宣子氏を指名理事とすることの提案を行い、承認していただきました。
また、今回も昨年に引き続き、年次大会中の2日間に募金活動を行いましたところ、101,615円のご寄付をいただきました。ご協力に感謝申しあげます。被災地は未だ多くの課題を抱えています。本学会は東日本プロジェクトを継続し、被災地の看護者の活動を支援するために、東日本大震災看護活動支援募金活動を継続して行っています。引き続き皆様のご協力をお願いいたします。
そして、2015年の第17回年次大会の大会長として、吉田 俊子氏(宮城大学)が推薦され、満場の拍手で承認されました。
また、次期大会長である筧 淳夫氏(工学院大学)より、大会テーマ「災害看護:「もの」のデザインと「こと」のデザイン」を始め、大会会場等についてご案内がありました。会期は2014年8月19日(火)・20日(水)、大会会場は『京王プラザホテル・工学院大学新宿キャンパス』です。
最後に、功労者表彰式が執り行われました。本学会は、5年毎に災害看護学の発展に寄与し、特に顕著な功績のあった方を功労者として表彰しており、功労者推薦委員会委員長の黒田理事より功労者表彰の推薦の経過について説明があり、その後7名の表彰状、副賞の授与を行いました。今回、功労者として表彰された方は以下の7名です。

臼井 千津 氏(愛知医科大学)、
浦田喜久子 氏(日本赤十字九州国際看護大学)
大森 綏子 氏(兵庫県看護協会)
筧  淳夫 氏(工学院大学)
草間 朋子 氏(東京保健医療大学)
酒井 明子 氏(福井大学)
渡邊 智恵 氏(日本赤十字広島看護大学)

次年度は、東京にて第16回年次大会が開催されます。また多くの会員の皆さまとお会いできることを、被災地の復興と共に心から願っております。

文責:理事会庶務 森下 安子


日本災害看護学会第16回年次大会のお知らせ

大会長 筧   淳 夫(工学院大学建築学部教授)

日本災害看護学会第16回年次大会は2014年8月19日(火)・20日(水)の両日にわたり、東京の新宿駅西口にある京王プラザホテルと工学院大学新宿校舎の2つの会場において開催いたします。第16回年次大会のメインテーマは、災害看護:「もの」のデザインと「こと」のデザイン としました。
まずは、災害が起きた場所(被災地)において、看護という「こと」をどのようにマネジメントして提供するのかといった「ことのデザイン」について考えてみたいと思います。
そして、災害看護を取り巻く環境の中から建物や場、道具、ツールなどの設定や使い方といった「もののデザイン」についても焦点を当ててみたいと考えています。
災害看護においては、災害が発生する前の段階、発災後の段階、そして被災が長期化した段階など、さまざまなステージにおいて、求められる「こと」は異なってきます。それぞれの段階において適切なマネジメントをすることが求められ、その環境を整えるための要件の一つとして、「もの」が位置づけられます。「こと」と「もの」の両面から災害看護を考えようというテーマです。
会場となる新宿は、超高層のオフィスビルと集合住宅、多数の商業施設、歓楽街、低層集密住宅などが混在し、JR、私鉄、地下鉄、バスなどの交通の結節点でもあります。こうした地域において、近年想定されている首都直下地震が起きた際には、これまで経験してきたものと全く異なった災害看護が必要になるかもしれません。
是非とも、全国から災害看護にご関心のある方々にお集まりいただき、様々な視点から情報を収集し、議論に参加していただければと考えております。
全国の多くの方々と会場でお会いできるのを楽しみにいたしております。

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【開催概要】
日本災害看護学会第16回年次大会

◉メインテーマ:
災害看護 「もの」のデザインと「こと」のデザイン
◉会 期:
2014年8月19日(火)~20日(水)
◉会 場:
・京王プラザホテル(新宿)
〒160-0023 東京都新宿区西新宿2-2-1
http://www.keioplaza.co.jp/access/index.html
・工学院大学新宿キャンパス
〒163-8677 東京都新宿区西新宿1丁目24番2号
http://www.kogakuin.ac.jp/facilities/campus/shinjuku/access.html
◉運営事務局
株式会社学会サービス
〒150-0032 東京都渋谷区鶯谷町7-3-101
TEL:03-3496-6950
FAX:03-3496 -2150
E-mail:jsdn16@gakkai.co.jp
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学会ホームページがリニューアル
会員専用掲示板の新設


ホームページは、シンボルマークのひまわりを案内表示にして、ホームページ全体の配置が分かるように下段にサイトマップを設けるなど、見やすくわかりやすくなりました。
今回新たに設けた「掲示板」は、まずホームページ右のLinkから「会員専用BBS」をクリックして、掲示板利用規程の画面に入ります。掲示板の目的である会員間の情報交換や交流が円滑に進むように、利用規程に従って運用していただくため、利用規程に同意し掲示板に移動します。ユーザ名とパスワードは以下の通りです。
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ユーザ名:「 saigai 」
小文字で エス エイ アイ ジイー エイ アイ
パスワード:「 jsdn 」
小文字で ジェー エス ディー エヌ
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日本災害看護学会ホームページ
日本災害看護学会ホームページ → 掲示板利用規程


日本災害看護学会評議員選挙告示


平成26年2月に日本災害看護学会評議員選挙が実施されます。評議員選挙の投票用紙は、平成26年2月上旬に日本災害看護学会選挙管理委員会から各正会員の連絡先に直接お送りしますので、送付される所定の用紙を使用して指定の期日(平成26年2月28日、当日消印有効)までに投票して下さい。
選挙人は、平成25年11月30日(土)までに本年度分の会費を納入し会費納入者名簿に掲載された正会員、被選挙人は、入会年度を含めて3年以上経過した正会員です。評議員の選出は会員区分別および地区別に行い、各地区の定数は地区の会員数に応じて定められています。詳細につきましては、10月上旬に会員宛に発送致しました「日本災害看護学会評議員選挙告示」をご覧下さい。
平成25年10月15日 日本災害看護学会選挙管理委員会


編集後記


第15回年次大会が無事終了いたしました。猛暑が続いたかと思ったら竜巻や台風などの風水害が続き災害が後を絶ちません。今年も全国で防災訓練が実践的な内容で開催されましたが、防災の日ばかりでなく、常にいろいろなことを想定しておかなければなりません。病院に勤務する私たちは常に病院機能が維持できるように普段の準備が大切になってきます。家庭での準備ももう一度見直しておく必要がありそうです。
■委員長:臼井千津  ■委員:今井家子、大草由美子、大山太、城戸口親史、牧野典子、瀬戸美佐子(記)






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会員数:2023年9月末現在

名誉会員10名
(うち物故会員4名)
個人会員:1,292名
組織会員:33組織
賛助会員:3組織

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