JSDNニュース No.38
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ご 挨 拶

一般社団法人 日本災害看護学会 理事長 酒井明子

平素より日本災害看護学会にご理解、ご協力を頂き、心よりお礼申し上げます。この度、理事長に選任されましたことをご報告し、ひとこと紙面にてご挨拶を申し上げます。
これまで、山本あい子前理事長は、国内あるいは国際的な場で豊かな経験による高い見識と指導力のもと当学会の事業に発展・寄与されてきました。それを引き継ぐ私は、はなはだ力不足ではございます。しかしながら、南裕子氏には引き続いて副理事長を務めて頂くことが理事会で決定され、更に当学会の基本方針を検討し意思決定機関としての役割を果たしていく11名の理事と2名の監事の皆さまに恵まれたことは大変心強いことです。
私は、このような役割を頂きましてから何ができるか考えました。今の気持ちとしましては「一人でも多くの命が助かる社会」について学会という組織を通して問い続けたいということが率直な思いです。災害多発時代を迎え、国内外で危機的な状況が繰り返し発生し、これから高齢・地域格差の問題が、災害時の現象を複雑にしていきます。大切な家族や住み慣れた家を失い生きる意欲を失った人々や自力で生活展望を考えることが困難な高齢者の孤立死や自殺、閉じこもり問題など、見えないところでさまざまな問題が山積みになっていきます。そうした問題を一つ一つ解きほぐしていくことを会員の皆さまと共有していきたいと思います。
日本災害看護学会は、1998年に設立され21年目を迎えました。会員の皆様が、災害看護に更なる関心を寄せ、一緒に活動したいと思えるような学会に変革していくことが期待されます。ついては、さらなる発展のために、どうぞ皆様のニーズをお聞かせください。そこに手が届くような学会活動を広く展開したいと思っています。宜しくお願い致します。

【理事・監事】
理事長    酒井 明子
副理事長   南 裕子
組織会員理事 守田美奈子
理事     小原眞理子・山﨑 達枝・山田 覚・山本あい子・渡邊 智恵
推薦理事   神原 咲子・清水 誉子・三澤 寿美・三橋 睦子・山﨑加代子
監事     筧 敦夫・片田 範子


一般社団法人 日本災害看護学会
第21回年次大会を終えて

大会長 尾山 とし子(日本赤十字北海道看護大学)

去る9月5日・6日の2日間、日本赤十字北海道看護大学および国立大学法人北見工業大学において日本災害看護学会第21回年次大会を開催いたしました。2日間で621名と、例年より少ない参加者数となりました。やはり、北見という地の利の悪さと、内閣府による大規模地震時医療活動訓練が重なったことも要因だったのではないかと推察しています。
しかしながら、ご参加の皆さまからは数多く、ご好評の声をお寄せ頂きました。本大会のテーマを「平成を紐とき、次代に挑む災害看護」として、平成の30年間に起こった様々な災害を振り返り、次代の災害看護がどうあるべきかを、おもに人々の命と生活を守る視点から捉えたプログラムを展開いたしました。昨年の北海道胆振東部地震から1年を迎えたこともあり、「その時どう動いたか?」を特別企画に組み入れたことは、あの日の地震の実像を知る上でも貴重なプログラムとなりました。また、被災者の方々のご冥福と復興への祈りを参加者の皆さまと共に捧げられたこと、感謝の気持ちで一杯です。さらに、北海道シェイクアウト(写真)にもご参加頂き、日々の備えの大切さについて改めて実感できました。
次代への災害看護への発信は、とても小さな発信であったかもしれません。けれども、災害に従事する看護職、その他の医療職はもちろんのこと、災害に関わる多種多様な職域の方々とのつながりが着実に強くなっていることを実感いたしました。このような機会を北見の地に頂きましたこと、一重に皆さまのご協力の賜と重ねて御礼申し上げます。
北見は災害の少ない地域と言われますが、これからも、災害看護の発展のために、小さくても着実で息の長い活動を続けていきたいと考えています。今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。


ご挨拶

一般社団法人 日本災害看護学会 第22回年次大会
大 会 長 渡邊 智恵(日本赤十字広島看護大学)

2020年9月5日(土)6日(日)、平和都市“広島”で、日本災害看護学会第22回年次大会を開催いたします。
今回のテーマは、「災害へのしなやかな対応-備え・寄り添い・つなぐ-」としました。災害発生を防ぐことはできなくても、災害からの被害を少しでも軽減し、かつ早期に復興へと歩むことができないものかということに関心を寄せ、災害看護教育・実践・研究活動に携わってきました。災害に対してどう備えていくことが重要なのか、傷ついた被災地や被災者に対してどうやって寄り添っていくことが必要なのか、さらに被災地の中で活動する他の専門職とどのように連携するのか、また災害からの教訓をどのように次世代につなぐことができるのかを皆様と検討していきたいと思います。
中国地方を制覇した“毛利元就”は、国人領主から戦国大名と駆け上がり、家族や地域を大切にした知将であり、数多くの逸話が残されています。今回のサブテーマとしている3つのキーワード「備え、寄り添い、つなぐ」は兄弟の結束を説いたという有名な「三矢の訓」にちなんでいます。備え、寄り添い、つなぐは「しなやかな対応」そのものだと考えます。そのキーワードに沿って、様々な学問分野の専門家からの知見を融合させ皆様と活発な議論を行い、災害看護の発展に向けてともに歩みを進めていきたいと思います。
会場は、平和記念公園の敷地内に位置している広島国際会議場で行います。近くには原爆ドームがあり、リニューアルされた原爆資料館に隣接しています。さらに、新たに開設された「折り鶴タワー」で懇親会を開催する予定です。原爆投下から75年、また東京オリンピックが開催される同じ年に、平和を祈りながら、第22回年次大会を開催できることに大きな意味を感じています。
多くの皆様に来広していただき、第22回年次大会の中で「災害へのしなやかな対応」について検討していくことができることを願っております。
詳細はHPをご確認ください。http://jsdn22.umin.jp/



第21回年次大会 市民公開講座
「カンタン!べんり!災害時に役立つ身近なもの
-災害発生時の健康問題に対応するために-」を開催して

社会貢献・広報委員会 寺田 英子

学会2日目に開催された本講座では、市民を含めた約60名が来場し、災害現場や避難所で発生する健康問題への対応や、平時と異なる災害時の医療体制のことを講義で学ぶとともに、身近なものを用いた出血、創傷、骨折などに対する応急処置を体験していただきました。また、カンタン!でべんり!な、災害時に役立つ便利グッズの展示には多くの方が興味と関心を寄せていただきました。
演習では、二人一組になり、三角巾ではお互いに額と前腕にできたきずの手当を行う、ストッキングでは骨折した前腕を新聞紙で固定した後に吊るといった応急処置を体験しました。序盤から立ち上がって三角巾を広げたり畳んだりして意欲満々の方や、講師に何度も質問する方もいらっしゃいました。ストッキングで腕が吊れた時には「お~!」「すごい!ストッキングでこんなこともできるんだ!」と驚いたり感心したりで、にぎやかに楽しくワザを習得することができました。
また、便利グッズとして、新聞紙で作るスリッパや段ボールで作る簡易トイレ、レジ袋とタオルで作る赤ちゃんのオムツ、乾電池の大きさの変え方などを展示しました。参加者の皆さまはグッズを手に取って見たり、スマートフォンで写真を撮ったり、担当者に熱心に質問をするなど関心の高さがうかがえました。
講演後のアンケートでは、参加者のほとんどが講義や応急処置は理解できた、災害時に役立つ便利グッズは参考になったと答えており、「わかりやすく楽しみながら理解できた」「誰にでもできて役に立つ」などの感想が寄せられました。今回の講座は、いざというときに使える知識とワザを身につけて、自助力・共助力を向上させる一助になったのではないかと感じています。何より参加者の皆さまが、楽しくて笑顔あふれる講座になったことをうれしく思います。末筆となりましたが、指導員としてご協力いただきました日本赤十字北海道看護大学の種本純一様、北見赤十字病院の上岡文様はじめご関係者の皆様に、担当者一同深く感謝を申し上げます。



学会認証に向けての「まちの減災ナース指導者」
養成研修の実際と今後の課題

教育活動委員会理事 小原 真理子

2018年11月より、日本災害看護学会認証に向けての「まちの減災ナース指導者」養成研修に26名の受講生が参加、5日間30時間の養成課程を修了しました。本研修の計画に至った背景には、これまでは自然災害が発生した際に、被災地外等より被災地に出向く迅速な医療支援、健康・生活支援、公衆衛生支援等、様々な特徴をもつ人材が育成されてきましたが、自身の生活圏内での減災活動が可能な人材が不足している始点があります。近年の災害多発状況に各地域に減災ナースが存在することで、自主防災組織や市区町村役場と連携し、要配慮者等の保健・福祉分野に対応できると考えます。
「まちの減災ナース指導者」の役割は、静穏期において居住地域の住民を対象に減災活動を実施する、および居住地域の看護専門職を対象に「まちの減災ナース」を育成するだけでなく、災害発生時には、市区町村行政担当者や地域住民と共に被災した住民の健康と生活の支援に取り組む役割があります。また「まちの減災ナース指導者」養成研修プログラムは、①地域の減災に関するコンピテンシー ②地域における減災の準備に関するコンピテンシーを掲げ、全5日間30時間の集中講義、およびワークショップで構成しました。さらに各研修の間には、受講生が居住する地域の市区町村役場や自主防災組織等へのインタビューや住民対象のセミナー運営に参加する等のフィールドワーク、「まちの減災ナース」育成プログラムの立案といった約30時間分の課題に取り組みました。毎回研修後にはアンケートを実施、「まちの減災ナース指導者」に向けての動機づけの確かさや課題等が見出されました。
今後の検討課題として以下の3点が見出されました。①「まちの減災ナース」指導者の学会認証をめざすために、審査会の実施、認証制度を確立します。②全都道府県に「まちの減災ナース指導者」を養成し、指導者が各地域に「まちの減災ナース」を養成する体制を確立します。③指導者が行政・医療(病院等)・自治会(住民)等との連携・協働のキーパーソンとなり、顔の見える防災・減災・備災活動を広めていくことです。



編集後記


本年も、令和元年台風第15号(9月5日発生)関東地方に上陸した台風としては観測史上最強、千葉県では大きな被害を受けました。さらに15号より強い勢力・または非常に強い勢力と語られた令和元年台風第19号(10月6日発生)、後の東日本を襲った記録的な大雨(10月25日)で被災地の被害も拡大、悲劇の連鎖が続いています。この原因は海水温の上昇と言われていますので、毎年頻回に発生するようになるのではないかと思うと心穏やかではありません。犠牲となりました方々にお悔やみを申し上げ、被災されました皆様に心よりお見舞いを申し上げます。1日も早く平穏な暮らしとなりますようお祈りいたします。
今期よりメンバーも新しくなりまして、佐々木吉子、登谷美知子、西上あゆみ、牧野典子、山﨑達枝、山下留理子と川野和也が担当させていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。(山﨑 達枝)






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宛先:学会事務所まで

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会員数:2019年3月末現在

名誉会員:4名
(うち2名は物故会員)
個人会員:1,480名
組織会員:38組織
賛助会員:6組織

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