理事長挨拶2021

第9次理事長 酒井 明子

 日本災害看護学会第8次に引き続き第9次理事長に就任いたしました酒井でございます。
第8次から第9次は大幅な役員交代となりました。第9次役員は14名の理事と2名の監事、代議員は個人43名と3組織でスタート致します。これまで積み上げてきた災害看護に関する活動体制の開発、知識体系の確立、災害看護学としての教育プログラムの体系化、災害看護に関する国内・国外ネットワークの発展については、従来の活動を基盤として検討しつつ、未来に繋がる委員会の再編と新たな取組みを検討していきたいと考えています。従いまして、新たな視点で定款をはじめ委員会再編に関連する細則や申し合わせ事項を見直していきます。
現代は、巨大災害の時代であるとともに悪性感染症の時代と言われています。今後30年の間に、首都直下地震や南海トラフ地震も含め大規模な地震が相次いで発生するリスクは高くなっており、事実、全国で地震発生のニュースが続いています。また、気象庁によると1日200ミリ以上の降雨の発生確率は年々高まっており、30年後には現在の2倍にもなると予測されています。このような複合災害や連続災害時には、外部からの支援が得られないこともあり、支援がなくても持ちこたえられるだけのコミュニティ力や地力を育まねばなりません。更に、災害時に必要なことは、いざという時にどのように動くかということになります。一人では対応できないことが多く、一つの学会で対応できる筈もありません。甚大な災害に対応すべく能力や技術をどこが持っていて、誰とどのように協働するのかについて、平時から様々な個人や団体と連携・交流しながら災害時対応の仕組みを考えていきたいと思います。そのためには、何と言ってもその中心となる人の育成が重要であると思います。 災害時に被災地で何が起きているのか、どのような支援が必要になるのか、今後どのような課題が考えられるかを見通すことのできるエキスパートの人材育成・若手の人材育成が重要になりますので、まちの減災ナース指導者育成・研修セミナーの充実を図ります。
最も重要なことは、会員・組織会員のニーズに迅速に対応することです。このためには、常に外向きに積極的に情報発信を行っていく必要があります。災害関連情報や学会および 年次大会関連情報をホームページ、ニュースレター、学会誌、そして会員一斉メールにてタイムリーに情報発信していきます。時代の変遷や会員のニーズに応じて、今後も引き続き会員・組織会員の皆様のご支援を頂きながら、一人でも多くの命が助かる社会になることを願い、災害看護の発展に努めていきたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願い致します。
日本災害看護学会の基本理念の下、本会の発展に全力を尽くす所存でございますので、皆様方のご指導とご協力を賜りたくよろしくお願い申しあげます。
2021年度は、以下のような活動を展開していきます。
1.災害看護に関する活動体制及び方法を開発する。
 1)「まちの減災ナース指導者」制度と活動体制の開発
 2)災害看護のエキスパートを育てる体制の強化
 3)災害看護活動に関わる診療報酬(介護報酬を含む)の検討
2.災害看護学としての知識体系・教育プログラム体系を確立する。
 1)「まちの減災ナース指導者」教育プログラムの体系化
 2)災害看護教育における知の体系化の促進
 3)災害看護の未来に貢献する若手会員の教育・研究・実践への支援
 4)災害看護用語の定義の明確化
 5)投稿論文の質の向上
3.災害看護に関する国内・国外ネットワークを発展させる。
 1)国内における災害支援ネットワークの充実
 2)海外の災害時支援の検討、世界災害看護学会等との連携活動
 3)看護系学術団体、その他災害関連団体との連携

令和3年10月




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会員数:2023年9月末現在

名誉会員10名
(うち物故会員4名)
個人会員:1,292名
組織会員:33組織
賛助会員:3組織

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