東日本プロジェクト活動報告

東日本プロジェクト担当理事 吉田俊子

「健康と復興まちづくりを考えるシンポジウム」が平成24年11月17日に宮城大学(宮城県大和町)にて行われた。このシンポジウムは、日本看護系学会協議会、日本災害看護学会、日本精神保健看護学会、東北圏地域づくりコンソーシアム、復興まちづくり推進協議会の共催を受け、文部科学省補助事業大学等における地域振興のためのセンター的機能整備事業(宮城大学)「南三陸町コミュニティ復興支援プロジェクト」の取り組みの一環として、復興まちづくりを暮らしのトータルデザインで被災者とともに考えていくことを目的として開催された。「地域に根ざした健康と復興のまちづくり」をテーマに、日本災害看護学会の南裕子理事長が「復興のまちづくりにおいて、被災者によりそう看護の専門性」を講演され、災害からの復興にむけて看護の果たす役割の重要性を示された。佐藤 仁氏(南三陸町長)による「南三陸町の復興にむけての取り組みと課題」、室崎 益輝氏(関西学院大学教授)による「これからの復興まちづくりにおいて私たちは何を考え、どう行動すればよいのか」の講演の後、現在の被災地の課題を踏まえ生活の再建と健康問題の複雑さ、看護支援の重要性について、活発なディスカッションが行われた。

 

このシンポジウムに先立ち、日本災害看護学会、復興まちづくり推進協議会、日本精神看護学会による3つの分科会が開催された。

 

分科会1「健康と生活を一体的に考える復興まちづくり」日本災害看護学会

分科会2「復興支援員の役割と復興まちづくりの展望」復興まちづくり推進協議会

分科会3「これからの心のケアのあり方を考える」日本精神保健看護学会

日本災害看護学会が開催した分科会Ⅰでは、黒田裕子理事(NPO法人阪神高齢者・障害者支援ネットワーク理事長)、酒井明子理事(福井大学医学部看護学科教授)、森山雅幸氏(宮城大学職産業学部教授)の3名が被災地の活動を通して報告を行い、山本あい子副理事長(兵庫県立大学地域ケア開発研究所所長)、平岡善浩氏(宮城大学事業構想学部)がコーディネータとして進行を行った。

分科会も立ち見がでるほどの盛況であり、街づくりを災害からの回復に伴う健康問題、健康状態の変化からとらえていくことの重要性が話し合われ、フロアからも具体的な支援での対応について質問があり、活発なディスカッションが行われた。

東日本大震災から、健康問題は生活と絡み合い長期化複雑化の様相を示しており、復興にむけて生活の視点で学際的に考えていく場の重要性を改めて認識した場となった。

 

 




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